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つきましては|意味・使い方・言い換え・ビジネスでの活用方法を徹底解説

ビジネスメールや公的な連絡、案内文などでよく目にする「つきましては」。
とても丁寧な響きを持ち、依頼・案内・連絡・報告の場面で多用される表現ですが、正しい意味や使い方を理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

  • 「つきましては」の正確な意味や語源を知りたい
  • どんな場面・流れで使えばよいのか?
  • 他にどう言い換えできるの?
  • 誤用例や注意点も知っておきたい

このような疑問を持つ方へ向けて、この記事では「つきましては」の意味・定義、実践的な使い方、例文、言い換え表現、よくある誤用や注意点、ビジネスでの応用例まで詳しく解説します。
これを読むことで、「つきましては」をより自然に、効果的に使いこなせるようになるでしょう。


目次

つきましてはの意味・定義

「つきましては」とは、前の話や状況を受けて、その結果や次の行動・要望・お願いなどを丁寧に伝えるための接続詞です。
日本語独特の“文脈を重んじる”文化の中で、理由や背景を説明した後に、それを受けて次の内容に移る際に使われます。

辞書的定義

  • 前述の内容を受けて、次の行動や要望を述べるときに使う接続表現
  • 「それに伴い」「それゆえ」「それをふまえて」などと同じ役割
  • もともとは「就く(つく)」という動詞に丁寧語「ます」+接続助詞「て」+係助詞「は」でできた表現

つきましては の主な使いどころ

  • 依頼やお願い
  • 案内やお知らせ
  • 報告やお詫び
  • 招待や参列の要請
  • 申請や書類送付の案内

文脈の“つなぎ役”として使われ、前後の流れをスムーズにする効果があります。

具体的な意味のニュアンス

  • 「前述の事柄を踏まえて」
  • 「それゆえ、これから述べることをお願いします」
  • 「以上の理由により」

つきましてはの使い方・例文

「つきましては」はビジネスやフォーマルな場面で幅広く使われます
ここでは、メール・書類・会話・各シーンごとに具体的な使い方や例文を紹介します。

1. ビジネスメールでの使い方・例文

● 依頼やお願いの場面

先日ご案内した会議の日程が決定いたしました。
つきましては、○月○日10時にご出席賜りますようお願い申し上げます。

● 書類提出の依頼

契約書のご準備が整いました。
つきましては、必要書類をご提出くださいますようお願い申し上げます。

● 招待・出席依頼

来る○月○日に記念パーティーを開催いたします。
つきましては、ご出席賜りますようご案内申し上げます。

2. お知らせ・案内文の例

新サービス開始の準備が整いました。
つきましては、詳細につきまして別紙資料をご参照ください。

移転が決まりました。
つきましては、○月○日以降のご来社は新住所にてお願い申し上げます。

3. 報告・説明の後で次の要請へつなげる

ご要望の件について社内で協議いたしました。
つきましては、下記のご対応をお願いいたします。

4. 会話での使い方

A「この案件は承認されました。」
B「つきましては、早速準備に取りかかります。」

5. シーン別使い方まとめ

シーン例文
依頼つきましては、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
招待つきましては、ご出席を賜りますようご案内申し上げます。
書類案内つきましては、必要書類をご送付くださいますようお願い申し上げます。
案内・移転つきましては、○月○日以降は新住所をご利用ください。
報告・業務指示つきましては、各自作業を進めていただきますようお願い申し上げます。

6. より丁寧な例文

以上、ご報告申し上げます。
つきましては、ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡ください。

プロジェクトの進捗についてご報告申し上げます。
つきましては、今後ともご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。


つきましてはの言い換え・類語・英語表現

「つきましては」には多くの言い換えや類語、英語での表現があります。
ニュアンスや文章の雰囲気に合わせて使い分けることが大切です。

言い換え・類語(表形式)

言い換え・類語ニュアンス・主な使用シーン
それに伴い前述の出来事に続いて、行動や変化が生じる場合
それゆえ論理的に前述の理由から次のことが導かれる場合
したがいましてフォーマル・ビジネスでよく使う接続語
よって主に文語的、公式文書や報告書などで使う
そこで会話や口語文で使う、やや柔らかい表現
このため前の理由・事情を受けて説明や要請を続ける場合
この結果前述の結果を受けて後続の行動や判断を示す
それを受けましてより丁寧、フォーマルなニュアンス
これに関しまして前の事柄に関連して次の内容を述べる時
この度「つきましては」と併用されることが多い

英語表現

「つきましては」を直接英訳できる単語はありませんが、文脈や用途に応じて下記のように表現されます。

日本語例文英語表現例
つきましては、ご確認くださいTherefore, please confirm.
つきましては、ご提出をお願いしますAccordingly, please submit…
つきましては、ご出席賜りますようお願い申し上げますWe would like to ask for your attendance.
つきましては、下記の通りご案内いたしますAccordingly, please find the information below.
つきましては、ご協力をお願い申し上げますIn this regard, we kindly ask for your cooperation.

ポイント

  • 英文メールや資料では「Therefore」「Accordingly」「In this regard」「As a result」などで代用されます。
  • 依頼や案内をスムーズにつなげる場合に有効です。

つきましてはを使う際の注意点・よくある誤用

「つきましては」は便利な表現ですが、使い方を間違えると違和感や誤解を招くこともあります
下記のポイントを押さえて、正しい使い方を心がけましょう。

注意点

  1. 前文とセットで使う
    • 「つきましては」は前述の理由や状況を受けて次の内容を述べる言葉なので、前の説明や背景がないと意味が通じません
  2. “お願い・案内・依頼”につなげる
    • 文章の流れで、新たな要請や依頼、案内事項を導入する際に使いましょう。
  3. 連発しない
    • 1つの文書やメールで何度も使うと、くどい・不自然な印象を与えます。
  4. 過度に形式ばりすぎない
    • 相手や状況によっては、もう少し柔らかい言い換え(例:「そこで」など)を選ぶことも大切です。
  5. カジュアルな会話には不向き
    • ビジネスや公的なシーンに適していますが、親しい友人や同僚との会話には堅すぎる場合があります。

よくある誤用・NG例

  • 前文がなく「つきましては」だけが先行する
    • ×「つきましては、ご提出お願いします。」(前の説明がないため唐突)
  • 意味が不明瞭な流れで使ってしまう
    • ×「ご連絡いたします。つきましては、よろしくお願いします。」(理由や依頼内容が曖昧)
  • 「つきましては」の後ろが抽象的・曖昧な表現
    • ×「つきましては、ご対応のほど。」(何をどうしてほしいか具体的に)

よくあるQ&A

「つきましては」と「したがいまして」の違いは?

どちらも接続語ですが、「したがいまして」の方がより論理的・文語的です。「つきましては」はより広く丁寧な印象で使われます。

「つきましては」を口頭でも使う?

使うことは可能ですが、やや堅い印象です。会議やフォーマルな説明、発表時には適しています。

「つきましては」の後ろに何を続ければいい?

依頼・お願い・案内・要請など、行動を促す具体的な内容を続けてください。


ビジネスシーンでの活用例・応用パターン

「つきましては」は、ビジネスメール・案内文・会議・報告書などで頻繁に活用される表現です。
ここでは、より具体的なビジネスシーンでの応用パターンを紹介します。

1. メールでの活用例

  • 企画承認後の依頼 ご提案内容が承認されました。
    つきましては、早速ご対応をお願いいたします。
  • 日程案内 面談日が決まりました。
    つきましては、○月○日10時にご来社ください。
  • 書類の提出
    > 必要書類を送付いたします。
    > つきましては、ご確認の上ご返送くださいますようお願いいたします。

2. 報告書・資料での応用例

  • 案件進捗報告 以上のような進捗状況となっております。
    つきましては、今後の対応方針についてご検討ください。
  • 施策の切り替え案内
    > 現在の状況をふまえ、施策の見直しを行いました。
    > つきましては、○日より新体制での業務となります。

3. 会議・発表での活用例

  • 会議終了時のまとめ
    > 本日の議題は以上となります。
    > つきましては、各自本日の内容をもとに行動をお願いいたします。

4. フォーマルな案内状や招待状

  • 式典・イベント招待
    > 記念式典を開催いたします。
    > つきましては、ご多用中とは存じますが、ご出席賜りますようお願い申し上げます。

5. 応用パターンまとめ

シーン具体例文
依頼つきましては、ご対応のほどよろしくお願いいたします。
案内つきましては、詳細は別紙資料をご参照ください。
招待つきましては、ご参加賜りますようご案内申し上げます。
書類提出つきましては、必要書類をご提出いただきますようお願い申し上げます。
報告後のアクションつきましては、次のステップへご協力のほどお願いいたします。

どの場面でも、「前提(背景・理由)」→「つきましては」→「具体的な要請・案内」という流れが基本です。


まとめ

「つきましては」は、日本語ビジネス文書やメールで非常に重宝される丁寧かつ流れを整える接続表現です。
正しい意味や使い方、言い換えや注意点を押さえておけば、相手に伝わりやすく、印象の良い文章を作ることができます。

  • 「つきましては」は“前述の理由・状況”を受けて“依頼・案内”などをつなぐ表現
  • 前文とセットで使い、行動を促す具体的な内容につなげる
  • 類語や言い換え、英語表現も活用して、場面に応じた適切な表現を選ぶ

この記事を参考に、「つきましては」を適切かつ効果的に使いこなし、ワンランク上のビジネスコミュニケーション力を身につけてください。

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