ビジネスメールや書面、面接・商談の結果通知、提案や依頼への返答などで使われる「見送らせていただきます」。
相手からの提案や依頼、応募に対して「今回は受け入れず辞退します」「検討したが今回は断念します」という意思を、丁寧で配慮のある表現で伝える日本語の定番敬語フレーズです。
- 「“見送らせていただきます”ってどんな意味?」
- 「どんな場面で使うのが適切?」
- 「断りのニュアンスを和らげる言い換えや類語は?」
- 「英語ではどう表現する?」
- 「誤用や注意点は?」
この記事では、「見送らせていただきます」の意味・定義、使い方や例文、言い換え・類語・英語表現、注意点・誤用例、ビジネスシーンでの応用パターンまで詳しく解説します。
“断る”時も、相手への配慮や信頼関係を大切にしたい方は必見です。
見送らせていただきますの意味・定義
「見送らせていただきます」とは、相手からの申し出・依頼・提案・応募などについて「今回は採用せず、辞退・不採用・保留とします」という断り・辞退を、丁寧かつ謙虚に伝える敬語表現です。
- 「見送る」=「採用や実行を今回は控える・やめる」の意
- 「させていただきます」= 丁寧な謙譲語で、自分側の判断に“配慮”を込める
- 主に採用・選考・案件受諾・提案・見積もり・企画依頼・提携依頼などへのお断りで使われる
主な使い方・ニュアンス
- お断りや辞退をする際のフォーマルかつ配慮ある断り表現
- 選考・商談・発注・案件受諾・応募・提案・協業依頼など、幅広いビジネスシーンで活用
- 「お断りします」よりも柔らかく、相手に敬意や配慮を伝えられる
- 明確な理由説明+今後の関係性への配慮をセットで使うとより丁寧
例文
- 「慎重に検討いたしましたが、今回は見送らせていただきます。」
- 「せっかくのご提案ですが、社内協議の結果、見送らせていただくこととなりました。」
- 「ご応募いただきましたが、今回は見送らせていただきます。」
見送らせていただきますの使い方・例文
「見送らせていただきます」は断りや辞退の連絡、選考・案件の結果通知で使う定番フレーズです。
より印象よく伝えるための使い方・例文を場面ごとに解説します。
1. 採用・選考結果の通知
厳正なる選考の結果、誠に恐縮ではございますが、今回は見送らせていただくこととなりました。
ご応募いただきましたが、見送らせていただく運びとなりましたこと、ご理解賜りますようお願いいたします。
2. 提案・見積もり・案件受諾への返答
ご提案内容につきまして社内で慎重に検討いたしましたが、今回は見送らせていただきます。
せっかくのご提案をいただきながら恐縮ですが、今回は見送らせていただきます。
3. 取引・発注・協業依頼への辞退
誠に申し訳ありませんが、現在の状況を鑑み、今回は見送らせていただきます。
検討のうえ、今回は見送らせていただきますが、今後ご縁がありました際はぜひよろしくお願いいたします。
4. シーン別使い方
シーン | 例文 |
---|---|
採用・選考 | 厳正な選考の結果、今回は見送らせていただくこととなりました。 |
提案・案件受諾 | ご提案について慎重に検討いたしましたが、今回は見送らせていただきます。 |
取引・発注辞退 | 誠に恐縮ですが、今回は見送らせていただきます。 |
協業・提携依頼 | 社内協議の結果、今回は見送らせていただきます。 |
見送らせていただきますの言い換え・類語・英語表現
「見送らせていただきます」には、より柔らかい表現やフォーマルな言い換え・類語、英語での伝え方もあります。
相手やシーンに合わせて選びましょう。
主な言い換え・類語
言い換え・類語 | ニュアンス・使い方 |
---|---|
お断りさせていただきます | 直接的。やや堅い印象。 |
ご辞退させていただきます | 丁寧で柔らかいが、ややカジュアル。 |
今回はご遠慮させていただきます | やわらかく、控えめに断るニュアンス。 |
今回は見送りとさせていただきます | 通知文・公的書面で使いやすい |
採用を見送らせていただきます | 選考や採用の結果通知で |
参加を辞退させていただきます | イベントや会合・セミナー等の参加辞退で |
今回はご希望に添いかねます | 柔らかいが、ややフォーマルな断り方。 |
使い分け例
- ご遠慮させていただきます…カジュアルなやりとりや口頭で
- お断りさせていただきます…よりはっきりとした意思表示が必要な場合
- ご希望に添いかねます…希望やリクエストへの丁寧な辞退
- 見送らせていただきます…選考や提案・案件受諾での丁寧な断り
英語表現
「見送らせていただきます」を英語で表現する場合、
“decline(辞退する)”や“not proceed(進めない)”“not accept(受け入れない)”などを丁寧に使うのが一般的です。
日本語例文 | 英語表現例 |
---|---|
今回は見送らせていただきます。 | We regret to inform you that we will not be proceeding this time. |
ご提案は見送らせていただきます。 | We appreciate your proposal, but unfortunately, we must decline at this time. |
今回はご期待に添えず、見送らせていただきます。 | We regret that we are unable to accept your offer at this time. |
参加を見送らせていただきます。 | Unfortunately, we have decided not to participate this time. |
よく使う英語フレーズ
- We regret to inform you that we cannot proceed this time.
- We must decline your proposal at this time.
- We are unable to accept your offer.
- Unfortunately, we will not be moving forward at this time.
- Thank you for your understanding.
見送らせていただきますを使う際の注意点・よくある誤用
「見送らせていただきます」は便利な断り表現ですが、使い方によっては冷たく感じられたり、曖昧・不誠実と思われる場合もあるため注意が必要です。
注意点
- 理由や経緯を必ず添える
- なぜ見送るのか、背景や検討内容を簡単でも説明すると誠実な印象
- 「今後のお付き合い」や「ご理解」への配慮も加える
- 断るだけで終わらず、今後の関係性や感謝を伝える
- 何についての見送りか明確に
- 件名や要件を省略せず「○○の件は見送らせていただきます」と具体的に
- 一方的な表現・形式的な断りは避ける
- 感謝やお詫びを必ず添えると好印象
- 応募者・提案者への配慮
- 努力や時間をかけた相手には、労いの言葉もセットで伝える
よくある誤用・NG例
- 理由説明や感謝を添えない
- ×「見送らせていただきます。」だけは冷たい印象
- 誰にでも同じ定型文で返信
- 相手や内容ごとに言葉を選ぶ
- 曖昧すぎる断り方
- “検討します” “またご連絡します”だけで放置はNG
- 選考や商談の途中で突然見送りを伝える
- 誠実な経緯説明と、なるべく早めの連絡が基本
Q&A
ビジネスシーンでの活用例・応用パターン
「見送らせていただきます」は採用・選考通知、提案や案件の辞退、発注・依頼への返答など幅広いビジネスで活用される表現です。
下記に応用例を紹介します。
1. 採用・面接・選考結果通知
厳正なる選考の結果、誠に残念ですが、今回は見送らせていただくこととなりました。ご理解賜りますようお願いいたします。
2. 提案や見積もりへの辞退
社内で検討を重ねましたが、誠に申し訳ありませんが、今回は見送らせていただきます。
3. 案件受諾・協業依頼の断り
貴重なご提案をいただきながら恐縮ですが、今回は見送らせていただきます。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
4. サービス・商品導入見送り
導入の可否を検討いたしましたが、今回は見送らせていただきます。貴重なお時間を割いてご説明いただき、ありがとうございました。
5. シーン別応用例
シーン | 具体例文 |
---|---|
採用・選考通知 | 厳正なる選考の結果、今回は見送らせていただくこととなりました。 |
提案・案件辞退 | ご提案内容につきまして社内で検討しましたが、今回は見送らせていただきます。 |
取引・発注辞退 | 誠に恐縮ですが、今回は見送らせていただきます。 |
サービス導入見送り | 導入を検討しましたが、今回は見送らせていただきます。ありがとうござました。 |
まとめ
「見送らせていただきます」は、提案・依頼・応募・案件など“受け入れを断る”時の定番ビジネス敬語表現です。
意味や正しい使い方、言い換え・類語・英語表現、注意点も理解し、
相手への敬意と配慮を忘れず、誠実な断り方を心がけましょう。
- 「見送らせていただきます」は柔らかいお断り・辞退のフォーマル表現
- 理由・感謝・今後のお付き合いへの配慮もセットで使うと印象UP
- 使い方やタイミング、言葉選びに注意してビジネスマナーを徹底
この記事を参考に、「見送らせていただきます」を信頼と配慮あるビジネスコミュニケーションに役立ててください。