ビジネスメールやチャット、電話連絡などでよく使われる「取り急ぎ」。
急ぎの連絡や要件を手短に伝える場面で、「とりあえず」「まずは」というニュアンスで相手に配慮を示しつつ、素早く連絡したい時のクッション言葉・前置き表現です。
- 「“取り急ぎ”ってどんな意味?」
- 「どんな場面で使うと失礼じゃない?」
- 「言い換えや類語、英語表現も知りたい」
- 「よくある誤用や使う時の注意点は?」
この記事では、「取り急ぎ」の意味・定義、正しい使い方や例文、言い換え・類語・英語表現、注意点・誤用例、ビジネスでの応用パターンまで詳しく解説します。
「スピード感」と「マナー」を両立させたメール・連絡術が身につきます。
取り急ぎの意味・定義
「取り急ぎ」とは、「急いで」「ひとまず」「とりあえず」「まずは」といった意味を持つクッション言葉で、
主にビジネスメールや連絡、報告などで“詳細やご挨拶は後ほど改めて行うが、まずはこの用件だけ伝えたい”という意図を込めて使われます。
- 本来の意味は「急いで何かをすること」「急を要するので、手短に要件だけ伝えること」
- ビジネス上は、忙しい中で「まずは要点だけ」を伝える礼儀や配慮の一環として定着
主な使い方・ニュアンス
- メールやチャットの本文・冒頭・結びで、「ひとまず連絡」「まずはご報告」などの形で使う
- 急ぎの連絡・納期・要件・仮の返答など“即レス”が必要な時のクッション表現
- 相手への配慮や敬意を伝える役割も
- あくまで“簡単なお知らせ”や“後ほど詳細連絡あり”を前提とする
例文
- 「取り急ぎご報告まで。」
- 「取り急ぎご連絡いたします。」
- 「取り急ぎ、お礼申し上げます。」
取り急ぎの使い方・例文
「取り急ぎ」はメールやチャット、電話などの“まずは一報”に便利な表現です。
特に結びや冒頭で使われることが多いですが、使い方次第で印象が大きく変わります。
シーン別に例文を紹介します。
1. メールの結び(要件だけ急いで伝えたいとき)
取り急ぎ、ご報告まで。
取り急ぎ、ご連絡申し上げます。
取り急ぎ、御礼申し上げます。
2. メール冒頭や本文で(忙しい中の返答・進捗連絡)
取り急ぎ、ご依頼の件について現状をご報告いたします。
取り急ぎ、日程のご連絡のみ失礼いたします。
3. チャットや口頭で(簡潔な即レス・即報)
取り急ぎ、資料だけお送りします。詳細は後ほどご案内します。
取り急ぎ、口頭でご説明いたします。
4. シーン別使い方
シーン | 例文 |
---|---|
メール結び | 取り急ぎ、ご報告まで。 |
メール冒頭 | 取り急ぎ、ご連絡申し上げます。 |
進捗報告 | 取り急ぎ、現状のみご共有いたします。 |
お礼 | 取り急ぎ、お礼申し上げます。 |
チャット | 取り急ぎ、資料だけ送ります。 |
取り急ぎの言い換え・類語・英語表現
「取り急ぎ」は、相手や文面のトーン、フォーマル度に応じて様々な言い換え・類語、英語表現があります。
より柔らかく丁寧にしたい場合や、少しカジュアルに伝えたい時など、使い分けが重要です。
主な言い換え・類語
言い換え・類語 | ニュアンス・使い方 |
---|---|
まずはご報告まで | もっとも自然な言い換え。「まずは」には“今後の詳細連絡”も示唆 |
ひとまずご連絡まで | いったんのご報告、という意味。柔らかくやさしい表現 |
先にご案内まで | 少しフォーマルな“速報”ニュアンス |
取り急ぎご連絡いたしました | より丁寧な言い回し。「ご連絡申し上げます」もフォーマル |
まずはお知らせまで | 簡易なメールやチャット、社内向けで使いやすい |
速報まで | かなりカジュアル。社内チャット向き |
お先にご連絡いたします | やや改まった書き方。丁寧さを強調 |
取り急ぎ失礼いたします | 急ぎ連絡の非礼を詫びるニュアンス |
使い分け例
- まずはご報告まで/ひとまずご連絡まで…柔らかく簡単な連絡に
- 取り急ぎご連絡申し上げます…より丁寧にしたい場合
- 速報まで…親しい社内やカジュアルなやりとりに
英語表現
「取り急ぎ」にぴったり対応する英語表現はありませんが、
「Just a quick note」「For your immediate reference」「For now」などが近い表現です。
日本語例文 | 英語表現例 |
---|---|
取り急ぎご報告まで。 | Just a quick note to inform you… |
取り急ぎ、ご連絡いたします。 | For your immediate reference, I am writing to let you know… |
まずはご案内まで。 | For now, please be informed that… |
ひとまずご連絡まで。 | This is just a quick update for now. |
取り急ぎ、書類をお送りします。 | I am sending you the documents for now. |
よく使う英語フレーズ
- Just a quick note
- For your immediate reference
- For now
- This is just a quick update
- I am writing to let you know…
取り急ぎを使う際の注意点・よくある誤用
「取り急ぎ」は便利ですが、多用や文脈次第で「失礼」「ぶっきらぼう」と受け止められることもあります。
正しいマナー・注意点を押さえましょう。
注意点
- 「取り急ぎ」だけの連絡はNG
- 必ず要件や意図を簡潔に添える。「何について?」が分からないと不親切
- お詫びやフォローも忘れずに
- 例:「取り急ぎのご連絡となり失礼いたします」「詳細は追ってご連絡します」など
- あくまで“簡単な連絡・速報”専用。正式な案内や重要文書には不向き
- 正式通知には「まずはご報告まで」などの表現に
- 多用は無愛想・雑な印象を与えるので注意
- 毎回「取り急ぎ」だとマナー違反に感じる相手も
- 「取り急ぎ、メールのみで失礼します」など非礼への配慮も大切
- ビジネス文書では一言添えると印象UP
よくある誤用・NG例
- 何の連絡か書かず「取り急ぎご連絡まで」だけ
- 何の件か明記がないと伝わらない
- 目上や取引先に多用
- 失礼と取られる場合も
- 重要な公式通知や謝罪文で使う
- フォーマルな案内は正式な書き方で
Q&A
ビジネスシーンでの活用例・応用パターン
「取り急ぎ」は急ぎの連絡や仮のご報告、速報メール・チャットで役立つ表現です。
具体的な応用例を紹介します。
1. 急ぎのメール・チャット
取り急ぎ、現状のみご報告申し上げます。詳細は追ってご連絡いたします。
2. 進捗報告・タスク管理
取り急ぎ、作業完了のご連絡まで。最終版は別途お送りします。
3. お礼・御礼メール
取り急ぎ、御礼のみ申し上げます。後日改めてご挨拶させていただきます。
4. 社内チャット・グループ連絡
取り急ぎ、資料だけ添付します。内容詳細は後ほど説明します。
5. シーン別応用例
シーン | 具体例文 |
---|---|
メール速報 | 取り急ぎ、ご報告まで。詳細は追ってご連絡します。 |
進捗連絡 | 取り急ぎ、現状の進捗のみご連絡いたします。 |
お礼 | 取り急ぎ、御礼申し上げます。 |
チャット連絡 | 取り急ぎ、ファイルのみ送ります。内容は後ほどまとめます。 |
まとめ
「取り急ぎ」は、急ぎの連絡や「まずは」の要件・お知らせを手短に伝える便利なクッション言葉です。
意味や正しい使い方、言い換え・類語・英語表現、注意点も理解し、
シーンや相手に合わせて上手に使い分けましょう。
- 「取り急ぎ」は急ぎ・速報・仮の連絡に最適なクッション表現
- 柔らかい言い換え(まずはご報告まで/ひとまずご連絡まで等)や補足・お詫びを添えると好印象
- 使いすぎや理由・要件なしの“ぶっきらぼうな使い方”には注意
この記事を参考に、「取り急ぎ」をスマートに使いこなし、信頼されるビジネスパーソンを目指してください。